- Published on
なぜビットコインのトレードはFXや株式と全く異なるのか
- Authors
- Name
- Shou Arisaka / 有坂翔
ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨(仮想通貨)は、その特有の性質から、従来の金融市場であるFX(外国為替取引)や株式取引とは大きく異なるトレードの特徴を持っています。この記事では、それらの異なる性質に焦点を当て、なぜ仮想通貨のトレードが他の市場とは異なるのかについて説明していきます。
※ チャート分析にはTradingViewを6年以上使っています。業界デファクト水準のツールで、基本は無料。証券会社や取引所にも多く採用されています。
マーケットの取引時間が異なる
FXや株式市場では、特定の取引時間帯に制約があります。例えば、株式市場は通常、平日の営業時間内に取引が行われます。これに対して、仮想通貨市場は24時間365日取引が可能です。つまり、いつでもどこでも取引が行える状況が続いています。
この特徴によるメリット
- 取引可能な時間が広がることで、異なる国々や地域のトレーダーが参加しやすくなります。
- 世界中で発生する出来事やニュースに即座に反応できるため、市場の変動が早くなります。
ビットコイン独自のインジケーターが数多く存在する
ビットコインやその他の仮想通貨には、従来の金融市場には存在しない独自のインジケーターが数多く存在します。これらのインジケーターは、ブロックチェーン技術や暗号通貨の特性に基づいて開発されており、従来の金融市場では考慮されない要素を取り入れています。
例えばTradingViewに投稿された、BTCUSDに焦点を当てたインジケーターの一覧を見ると、従来の金融市場では見られないようなユニークなインジケーターや分析が多く存在していることがわかります。
暗号通貨コミュニティの数多くのユーザーが、独自のインジケーターや分析手法を開発し、共有しています。これにより、トレーダーは従来の金融市場では得られない情報や分析手法を活用することができます。
(画像: Bitcoin Limited Growth Model)
チャートが異なる
取引時間が異なることは、チャートの構築方法にも影響を与えます。従来の市場では人為的に設定された取引時間の区切りがありましたが、仮想通貨市場ではこれが取り払われ、より自然に物理的・力学的な作用が反映される傾向があります。
この特徴によるメリット
- チャートがより滑らかになり、トレンドやパターンがより明確に観察できます。
- 人為的な時間の制約が少ないため、トレンドの変化や重要なサポート・レジスタンスの動きがより自然に反映されます。
トレードが行いやすい
仮想通貨市場は金融工学や時系列データ分析の観点から統計的手法が適用しやすい環境を提供しています。これにより、トレーダーはより多くのインジケーターや分析手法を使用しやすくなります。
この特徴によるメリット
- トレーダーは高度な分析手法を用いて市場の動向をより正確に予測できるようになります。
- 仮想通貨市場でのトレードは、新しい金融商品に対するアプローチを可能にし、独自の戦略を構築する余地が広がります。
システムトレードも行いやすい
システムトレード(アルゴトレード/自動売買/ボット取引)は、プログラムによって自動的に取引を行う手法です。ビットコインやその他の仮想通貨市場は、APIを提供している取引所が多く、システムトレードを行いやすい環境が整っています。
(画像: Session Breakout Scalper Trading Bot)
TradingViewではPine Scriptという独自のプログラミング言語(スクリプティング言語)を使用して、システムトレード用のスクリプトを作成することができます。Pine Scriptでは自動売買のトレードアルゴリズムをプログラムすることができる他、バックテストへの活用や、チャート上にインジケーターやアラートを表示することも可能です。
(画像: Fibonacci Ribbon)
リスクと課題
ビットコインやその他の仮想通貨のトレードには、従来の金融市場とは異なるリスクや課題があります。例えば、市場の流動性が低いことや、価格の急激な変動が起こりやすいことが挙げられます。また、セキュリティの問題や規制の変化による影響も考慮する必要があります。
まとめ
ビットコインやその他の仮想通貨のトレードは、取引時間、チャートの形成、トレードの容易さといった点で、従来の金融市場とは異なる特徴を持っています。これらの特性はトレーダーに新たな機会を提供し、同時に独自のリスクや課題も抱えています。十分な理解と慎重なアプローチが重要です。